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熱帯夜に本で涼を取るという選択――、暑い夏に読みたい怪談話

夏のおすすめリスト

夏ほど怪談が似合う季節はない。
熱帯夜――、外から吹き込む風は、暖かい風を運んでき、部屋の暑い空気をかき混ぜるだけで、去っていく。

そんな夏の夜ほど、怪談が似合うシチュエーションはない。
暑さで眠れない夜には、怪談を読んで、さーっと体温を下げてみてはどうでしょうか?
別の意味で眠れなくなる可能性もありますが――。

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夏に読みたい傑作 怪談小説

怪談小説ということで、ぞわっとする小説を厳選しました。
個人的な選出になりますので、どっちかという恐怖恐怖という感じでなく、ほとんどが不気味な雰囲気小説になりました。

疎水
疎水

上から怖くない順番になっていますので、参考にしてください。

蘆江怪談集(平山蘆江)

令名のみ高く、その全貌を見たものが殆どいなかった幻の怪談集

本書の作者である平山蘆江(ひらやま ろこう)とは、新聞記者であり作家だった。
記者としては花柳演芸欄を担当し、明治大正の歌舞伎界、花柳界の裏面などを描いた随筆『東京おぼえ帳』という本を出版している。
また蘆江は、泉鏡花、喜多村緑郎らと夜な夜な「怪談会」に打ち興じる怪談好きとしても知られ、それが本書に生きている。

12篇の怪奇小説と1篇の怪奇雑記が収められている。
江戸~昭和初期を舞台とした小説で、なんとなく不気味な雰囲気な短編が旧仮名で書かれることで良い味を出している。

ちょっと他の人とは違った本を読みたい人にはおすすめ。

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三浦老人昔語(岡本綺堂)

しみじみとした哀話からぞくりとする怪談まで

本書の舞台は江戸。
夜に灯る明かりは提灯で、風が吹けば消える。
本当に一寸先は闇――、この通信機器が発達した今でさえ、夜の路地裏に入り、明かりが届かなくなると怖いというのに――、当時の恐怖体験はどんなものだったのだろうか。
本書は闇が今よりずっと深かった時代の話。

きっと怪談だっていま以上に沢山生まれたのだろう。
そして原因だってわからなかったはずで、恐怖と隣り合わせにいたのではないか。

本書はすべてが怪談というわけではない。
淡々と語られる江戸の風に当たってみてください。
たまにひんやりと冷たい風が吹くかもしれません。

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きつねのはなし(森見登美彦)

底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。

森見登美彦と言えば、阿呆な大学生が主役になることが多いが、本書の主人公は古都 京都だろう。
それも観光地からそっと逸れた路地裏――、太陽の光が当たらないひんやりとした京都だ。

4編の物語は繋がっていそうで、繋がっていない。
変化がなく、ただもうもうとした霧の中を進んでいくような小説。

もしかしたら本当に京都ではケモノが笑っているかもしれない。
たしかにふと道を逸れた瞬間、危うい世界に足を踏み入れてしまう恐怖が京都にはあるのだ。

そんな普段は目にしない京都を雰囲気満載に描いた本作。
個人的な話になるが、――私が森見登美彦作品で最も好きな作品で、
尊敬する内田百閒からの影響が随所に見られる1作。

冥途(内田百閒)

無気味なようで、可笑しいようで、心もとない。

高い、大きな、暗い土手が、何処から何処へ行くのかわからない、静かに、冷たく、夜の中を走っている。

この小説集に収録されているのは、内田百閒の特異な小説33編。
内田百閒といえば、『阿房列車』『百鬼園随筆』といったユーモアにあふれた文章の天才だが、怪奇小説を描いても天才だった。

本作の中でも特にオススメなのは、「山高帽子」という作品。
色がなく、灰色の世界で、細い1本道を歩くように、物語は進んでいく。
もし1歩でも足を滑らせればどうなるのだろうか、わからない不安に押し潰されそうになる。
いくら注意して読んでいても読者は主人公の青地とともに、不条理から逃れることはできない。

芥川の自殺する直前を描いた作品としても有名な1作。

六番目の小夜子(恩田陸)

やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。

吉川英治文学新人賞、本屋大賞、日本推理作家協会賞、山本周五郎 、直木三十五賞、本屋大賞と数々の賞を受賞してきた恩田陸のデビュー作。

2000年にNHKでドラマとして放送され、当時まだ小さかった私に恐怖と衝撃を与えた1作。

謎の少女をめぐるホラーとファンタジーの融合した作品で、ホラーだけでなく青春要素も色濃く、恐怖と爽快感が残る傑作。

体育館の呼び合い(卒業式などでよく行われるアレ)のシーンは恐怖で鳥肌ものでした。

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ねじの回転(ヘンリー・ジェイムズ)

緻な心理描写と暗示に富んだ文体で人間の恐怖を活写する

この小説が扱っているのは古典的な幽霊だ。
幽霊が兄妹を悪の世界に引きずり込もうとしていて、主人公の家庭教師はそれを目撃する。――、兄妹たちを守らなければいけないと家庭教師は思うのだが、兄妹たちはそれを知っていて、幽霊が見えないふりをすることで、家庭教師を追い詰めていく。

本当に幽霊はいるのか。
――、家庭教師だけが見える妄想なのか。
家庭教師は徐々に恐怖の渦に巻き込まれていく。

暗示に富んだ文章で、ぐいぐいと作中に引き込まれ、丁寧に描かれる家庭教師の心理描写にシンクロしていくように、恐怖が覆いかぶさってくる。

いまなお世界で最も広く愛読されている幽霊物語の1作。

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ひぐらしのなく頃に(竜騎士07)

ゼロ年代の金字塔。

本書はライトノベルなので、語り文、話し文など、苦手な人におすすめしない。
おすすめしないのだが、――本当のことを言うと読んで欲しくて堪らない。

最初は確かにつらいのだが、ぜひともそこは我慢をして読んでほしい。
気がつくと物語に没入し、文章なんてどうでも良くなるのだ。

夏になると、ひぐらしの声が聞こえてくると、本書を思い出す。
きっといつまでも思い出す気がする。それほどまでに衝撃的な作品だった。

青春といった楽しそうな雰囲気から徐々にすべてが崩れ落ちいく過程は、暑さなんて忘れるほどの読書体験になる。

「青春学園ホラーミステリー」、面白くないはずがない。

ちなみに難しい『ひぐらしのなく頃に』の読む順番は以下を参考にしてください。

ひぐらしのなく頃に(出題編)
  1. 鬼隠し編
  2. 綿流し編
  3. 祟殺し編
  4. 暇潰し編
ひぐらしのなく頃に解(解答編)
  1. 目明し編
  2. 罪滅し編
  3. 皆殺し編
  4. 祭囃し編
ひぐらしのなく頃に礼(その後)
  1. 賽殺し編
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どこの家にも怖いものはいる(三津田信三)

この本を読んだら最後――、目を閉じるたびに恐怖が蘇るかもしれない

表紙には少女が描かれ、少女の顔には目が6つある。
なんだがそれをじっと見ているだけで気分が悪くなっていくようである。
さらにその下には、

この本を読んで奇妙な音が聞こえてきたら、いったん本書を閉じてください。

と書かれている。
なんだが読む前から恐ろしさが伝わってくる。

怪談好きな編集者と作家が遭った縁で発見された「家」に関する5つの怪談。
その5つを読み続けていくと、いくつか見つかる奇妙な共通点が……。

さらにこの「家」関する怪談を読んだ者の家には”それ”が訪れるという。

この「家」関する本を読めば、暑い夏がさあっと涼しくなるに違いない。
ただ、そのせいで何が起きても責任は取りません。

 

疎水
疎水

いかがでしたか?

温暖化で気温が上がりつづける夏。
本で涼を取ってみてはいかがでしょうか。

「夏」に読みたい本を厳選!

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