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東洋医学ってすごいんじゃ? そう思わせてくれる中島たい子の『漢方小説』の感想は?

本の感想
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ちょっと漢方薬局に行ってみたいと思えるゆるく面白い小説でした。

漢方と聞くと少し胡散くさいイメージがある。
なんか薬局には瓶詰めされた蛇があったり、ホルマリンの匂いが充満していたり……!

漢方と聞くとまず思い出すのは、高田崇史の「QEDシリーズ」で、探偵役である少し(本当はとても)変わった男、桑原崇が漢方薬局に勤めていたこと。

すごい理屈的で博識で、それでいて奇妙な男が、いやに漢方とぴったりだと思ったことを覚えている。

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なので、この「漢方小説」とやらもびくびくしながら読み始めた。

やっぱり少し変わった小説なのだろうか?
でも表紙はなんだかハートフルだしどうなんだろう。

と、もやもやしながら本を開いたのだが、思わずその面白さに、文章のしなやかさに一気読みしてしまった。

今後もたぶん、たまに読みたくなる小説でした。

実家から間違えて持ってきてしまったオヤジのパジャマを着て、ユニクロのパンツがはみ出ているお尻を玄関に向けて倒れているもいう、何か一つでもどうにかしたい状況だったけれど、それどころじゃなかった。

という冒頭から思わずクスリとしてしまう始まりかた。

主人公である女性は「えー、三十一歳の女性」(作中での救急隊員のセリフ)であり、独身で脚本家で、現在、セルフ・ロデオマージンになっていた。

自らの生み出す振動に震え続けていた彼女は思わず、救急車を呼んだのだが、病院につく前にその震えは収まっていた。

救急車を呼んだからにはと、演技で震え続けてみようかと思ったがやめた。

そんな苦労してついた病院では「なんだろ、わからない」と言われ、その後病院を転々とするが原因はわからないまま、漢方医にいく。

「ドキドキするのは、ここでしょ」

と漢方医は色々な身体の箇所を抑えたあとに、「ドキドキの震源地であり、あのロデオマシーンのモーター部分」を的確に指摘した。

そして主人公は、

以後、この先生に私はドキドキすることになる。

それからただ症状が良くなったり、悪くなったりするだけなのだが、彼女の思考、青テントの飲み仲間たちが面白く、ついつい気がつくとクスリとしている。

そして気がつくと読み終えていた。
はたしてこの小説は何だったのか今もまだわからないが、今後たまに手に取りたくなる小説だろう。

で、調べてみると、まさかの小説すばる新人賞とのこと。

まさかのこれがデビュー作?
中島たい子は化け物じゃなかろうか。

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