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Twitter発!燃え殻が書く『ボクたちはみんな大人になれなかった』はあいみょんさえも虜にしました

本の感想

【書評】自分の人生を肯定できない人に読んでほしい『ボクたちはみんな大人になれなかった』(燃え殻)

Twitter発で、すごい面白い小説があるというのは聞いていた。

作者は燃え殻といい、『ボクたちはみんな大人になれなかった』という、なんだがちょっぴりセンチで、恥ずかしいタイトルがついている小説がブームになっているという。

天の邪鬼な私は、そんなに話題になっているからこそ、手を出さなかった。

それに「Twitter発? 携帯小説にお金なんて払えないよ」というちょっとした偏見も相まっていたかもしれない。

だが、読み終わった ” いま ” 、こんな面白い小説をなんで読まないでいたのかという後悔すら感じている。

大人の恋愛小説? 異色のラブストーリー

本書はラブストーリーとして語られている。
もちろんラブストーリーがメインなのだが、それだけではない。

この小説は「あの頃からの東京」を楽しむ小説だと思う。

あの頃の東京とは、
雑誌に文通コーナーがあった1990年代の話。

今からざっと30年前。
ちょうどバブルが弾けた頃のこと。

経験してない私は、想像するしかない。

  • 昭和が終わった東京。
  • 平成が始まった東京。
  • 景気で混乱する東京。
  • バブルが弾けた東京。
  • 決して止まらない東京。

それが――、あの頃の東京。

読んでいるうち、知らないはずの東京に、いつの間にかいる。

そしてそれがひどく心地良い。

あらすじと構成

彼女との出会いは雑誌の文通コーナーだった。
エクレアをパックに詰めるバイトをしていた主人公は休憩時間に見た雑誌で、彼女に惹かれる。

何度がやり取りし、待ち合わせをした渋谷のラフォーレ前。

「わたし、ブスなんです。きっとあなたは私にあったら後悔します」

そんなこと言うので、

すごいブスを覚悟していたので、ふつうのブスだった彼女にボクは少し安堵した。

ふたりはそうして出会い、ポスターがかっこいいだけで中身のない映画を見たり、仲を深めあった。

その間に主人公は、エクレア工場をやめテレビの裏方スタッフに就職する。

そこでは毎日のように徹夜し、休みなく働く。そしてたまの休みを彼女と過ごした。

しかし彼女は不意にいなくなる。

その後、主人公の会社はどんどん大きくなり、主人公も同時に有名になる。

そんな時、Facebookで彼女を見つけた。

ダサいことをあんなに嫌った彼女のフェイスブックに投稿された夫婦写真が、ダサかった。 ダサくても大丈夫な日常は、 ボクにはとても頑丈な幸せに映って眩しかった。

twitter文学の最高傑作

Facebookで彼女を見つけたことで、文通のやり取りの回想が始まる。

唐突に四半世紀ほど昔に戻り、その後、過去と現在が入り交じるように進む。

短い章が入れ代わり立ち代わり挿入されていく構成は、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』のように心地の良いリズムだった。

そして『風の歌を聴け』のときもそうだった。
最高の気分で読み終え、感想を誰かに話そうとすると言葉にならない。

「いやね、とにかくね、最高だったよ」

そんなありきたりな言葉でしか表現できない自分が恥ずかしい。

時間が経ったらまた違う感想が浮かんできそうなので、追記しよう。

そういえばぜひ目次だけでも読んてほしい。
読めばきっと購入したくなるに違いない。

  • 最愛のブスに“友達リクエストが送信されました”
  • 暗闇から手を伸ばせ
  • ビューティフル・ドリーマーは何度観ましたか?
  • 好きな人ってなに?そう思って生きてきたの
  • そしてまたサヨナラのはじまり
  • 「海行きたいね」と彼女は言った
  • 1999年に地球は滅亡しなかった
  • ギリギリの国でつかまえて
  • 東京発の銀河鉄道
  • 雨のよく降るこの星では
  • 東京という街に心底愛されたひと
  • あの子が知らない男に抱かれてい
  • 90分は、永遠みたいに長かった
  • ワンルームのプラネタリウム
  • ボクたちはみんな大人になれなかった
  • 君が旅に出るいくつかの理由
  • やつらの足音のバラード
  • 永遠も半ばを過ぎて
  • 必ず朝が夜になるように
  • バック・トゥ・ザ・ノーフューチャー

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