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令和の考案者? 中西進先生が書いた『日本人の忘れもの 1』

本の感想
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【書評】古き良き日本を振り返って『日本人の忘れもの 1』中西進

突然だが、

  • 旺文社文庫
  • 春陽堂文庫
  • ウェッジ文庫

上記3つは古書店などで見つけるとついつい購入してしまうきらいがある。

旺文社文庫」は大好きな内田百閒が網羅され、「春陽堂」は大好きな江戸川乱歩が数多く揃っているというのが理由なのだが、「ウェッジ文庫」はどこにひかれたのが思い出せない。

たしか、岩本素白の本が読みたくたどり着き、その厳選された出版物に魅力を感じたのだろう。

以来、ウエッジ文庫は私の目を引くこととなる。

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そのため、本書『日本人の忘れもの』もずっと気にしていたのだが、読む機会がなく、今回は遅ればせながら「令和」記念とのことで読んでみた。

古き良き日本の心

私は元来、古風なものに惹かれるタイプである。

趣味は庭園巡りや旅館での宿泊であり、いずれは質素な庭園のある日本家屋に住みたいと思っている――、夢のまた夢だが……。

濡れ縁で西瓜を食べ、線香花火をするという情景に憧れる男である。

なので、本書とは非常に馬があった。

構成と4つの提案

本書は「令和」の考案者と言われている中西進先生が、「心の豊かさ」に重きをおき、「日本人自身ですらうろ覚えになっているもの、最近はほとんど忘れてしまっているもの」をあらためて、確認するために書いた本である。

本書の構成は、

  • 暮らし
  • まとめ(4つの提案)

から成り、それぞれ、過去の事象・言葉の由来を紐解くことで、もともとの意味合いや意図を解説してくれている。

そしてそれらをふまえたうえ、
まとめでは、

  1. 帰属意識を持とう
  2. 本当の大人になろう
  3. 深くいのちを愛そう
  4. 自然を尊重しよう

という4つの提案がある。

心に残ったの「ごっこ」という話

本書では21の言葉に対する解説や考え方が述べられるのだが、中でも心に残ったのは、「ごっこ」だ。

本編では、中西先生の幼少時代、学校に行く友人を「Aちゃん。遊びましょ!」と誘ってしまったという恥ずかしいエピソードから始まり、最近は外で遊ぶ子が少なくなり、もっぱら1人でゲーム遊びになってしまった、という嘆きが書かれ、「対話」による遊びがなくなった子どもは重度の失語症である、とまとめられている。

本書は、99年〜01年までに書かれたものがまとめられたので、この「ごっこ」もその間に書かれたと考えられる。

その当時、わたしは少年だった。
確か小学校を卒業する年かその前年に任天堂DSが発売され、友人は皆、クリスマスにそれをお願いした。

わしたちは、そのチャット機能を用い、鬼ごっこに精を出したが、すぐに飽きた。
普通に鬼ごっこをするほうが身軽で、楽しめたからだ。

そのため、中西先生が、当時の子どもたちは外で遊ばないと書いているのには違和感がある。

現にわたしは学校にいる時間と寝ている時間を除けば、ほとんどを外で過ごしていた気がする。

「昔は良かった的思考」だろうか?

――、わたしも「昔は良かった的思考」を受け継ぎ言わせてもらうと、「今の子どもたちは外で遊ばなくなった」と思うのだが、その実、子どもたちは外で元気に走り回っているのかもしれない。

しかし、公園には「大声出すな」「野球禁止」「花火禁止」といった禁止事項が多く書かれ、どうやって楽しむのだと思うことが多々ある。

「そりゃ、子どもたちは家で遊ぶよ」、と仕方なく思うことが多々ある。

本書では色々なことについて言及されている。
日本独自の文化や時間、考え方――などなど。
確かにそういったことも大切で(現にわたしは七草粥を食べないと風邪を引くと未だに信じている)、大事にしていかないといけないことだが、大人になってからでも思うことはできる。

だが、「ごっこ」だけは子どもの頃にしか体験できない。

  • 先生を尾行して迷子になったこと
  • 迷子になったら警察署に行けば無料で家まで送ってくれると信じていたこと。
  • スーパーで鬼ごっこをし、迷子案内で見事、鬼にひっかけられたこと。
    公民館にこっそり入って怖い話をしたこと。
  • すごい遠い街にきたと思っていたのが、実は隣町だったこと。

その記憶は今でも鮮明に覚えている。
確かにゲームは楽しいかもしれないが、個人的には外で遊ぶ時間を大切にしてほしいと、本書読んで思った。

本書にはいろいろな考えがある。
その全てに賛成、反対をするわけではないが、1つの考え方として非常に参考になった。

グローバル化がとにかく大切にされる今日、日本独自の文化を改めて考えるにはもってこいの1冊。

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