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【書評】噴火、失踪、殺人事件――そして美しい月夜『月光ゲーム―Yの悲劇’88』有栖川有栖

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こんにちは。
久々に本格推理小説を、読んだらついつい没頭してしまいました。

本日は有栖川有栖さんの「月光ゲーム―Yの悲劇’88」を紹介します。

月光ゲーム―Yの悲劇’88を読んで

そしてそれに続いて起こった悲惨な……。死。殺人。理代。

そもそもの始まりと「EMC」

「EMC」とは英都大学推理小説研究会の略であり、「英都大学推理小説研究会」は京都にある私大・英都大学のクラブの1つである。
主人公であり、ミステリオタクの有栖川有栖は、入学後に行われる万国博のようなクラブ勧誘から逃げている時に、EMCの部長である江神二郎とぶつかる。その際、江神二郎が落とした、中井英夫の「虚無への供物」という推理小説で2人は意気投合して、EMCのたまり場に行くことに。

とは云うものの、EMCというクラブが推理小説に関するコトだとはわかるが、――何をやっているのか、その詳細はわからない。
どうやら部員は「江神二郎」、「望月周平」、「織田光次郎」の3人で構成されるらしい。

そうして、有栖川有栖の「何をしているクラブなのか」というもっともな疑問に対して、江神二郎は「何したいのか、何をするか判らん人間の集まりなんや」と云った。

有栖川有栖は推理小説が好きという共通項を得られること、そうして江神二郎という男の不思議な魅力に惹かれ、晴れてEMCに入部することになった。

キャンプ、噴火、失踪――殺人

「古墳発掘調査」、「道路工事」、「皿洗い」、「弁当屋の盛り付け」と4人はアルバイトに励み、お金をため、キャンプをしに矢吹山を訪れた。矢吹山は休火山らしく、人気がなく、キャンプ場は寂れている。しかし偶然、矢吹山に居合わせた雄林大学、神南学院短期大学の面々とキャンプファイヤーやマーダー・ゲームなどをすることで、矢吹山をこれでもかというほど楽しむ面々。

楽しさのあまりEMCのメンバーが予定を変え、日程を伸ばした3日目の朝。
神南学院短期大学の山崎小百合(サリー)が書き置きを残して消えた。
――そうして畳み掛けるように、矢吹山が噴火して、彼らは完全に孤立する。

ミステリファンが喜ぶ「クローズド・サークル」が晴れて(?)ここに誕生した。

サリーはなぜ下山をしたのか、噴火する山の中を無事に降りることができたのか。
また自分たちも「無事に山を降りることができるのだろうか」、という不安のなか、4日目の朝を迎えると、文雄が「y」というダイニングメッセージを残して殺されていた。

――犯人はこの中にいる。
誰もが疑心暗鬼になるなか、山もいつ大噴火するかわからない。そんな極限心理のなか、彼らは下山するまでの日数を過ごさなければならない。

さらに重なる失踪と殺人。
果たして犯人は誰なのか、
――読者諸君は江神二郎よりも早く解答を導くことができるのか。

ここで敢えて物語を中断し、本格推理小説の古典的作法に倣って作者より読者へ挑戦します。
本編はここに至り、この連続殺人事件の真犯人を特定するに充分なデータが出揃いました。次章においては有栖川有栖と同じ見聞をもとに、すなわち読者と同じ条件のもとに江神二郎が犯人を指摘します。
あなたの推理がまとまりましたら、どうぞページをめくってお進み下さい。

 

電車で「推理小説しりとり」をするEMCの面々。
キャンプファイヤーで歌を歌う面々。
個人個人で、恋愛や夢、人生について語る美しい月夜。
――歯車のずれる音……。
そして、失踪、噴火、殺人……――また噴火、さらに新しい犠牲者と失踪者。
そうして殺人の裏にある哀しい動機。

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いかがでしたでしょうか。
たまには推理小説に没頭するのもいいですよね。

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