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数あるミステリ賞をかっさらった期待の新人「今村昌弘」のデビュー作『屍人荘の殺人』

本の感想

秋の夜長に、
ついついイッキ読みをしてしまった。

でもまあ、仕方ない。
読みきらないで寝る、なんて選択肢はなかった。

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徹夜必須のミステリ小説

ミステリは悲劇でしかない。
人は多面的で、1面を見ただけで決して判断ができないし、するべきではない。

ミステリはいつもそのことに気がつかせてくれる。
犯人の視点で書かれる小説は稀有なので、ミステリでは基本的に犯人のフィルターがかからない被害者の姿が浮かび上がってくる。
そうすると、犯人が思っていただけの人じゃないことが分かってくるのだが、犯人にはそのことは伝わらない。
そりゃそうで、犯人だって殺すしかないと思いつめるところまで行ってしまっている。
なんともやるせない気持ちになる。

本書もそんな悲劇が書かれている。
確かに被害者がやったことは許されざることだった。
犯人がその行為を恨むようになる気持ちもわかる。
しかし被害者だって何かを抱えているのかもしれないし、毎日思い悩んでいたかもしれない。

事件が起こるとわかっているミステリは読んでいて辛いのだが、傑作ミステリは読まずにはいられなくなる。
ページをめくればめくるほどに。

 『屍人荘の殺人』のあらすじ

主人公の葉村は先輩である明智さんに誘われる形で、ミステリ愛好会に参加することになった。

大学にはミステリ研究会があるのだが、そこはあくまでも THE 大学のサークルと言った具合でミステリの深い話がしたい葉村には物足りなかった。

そんなときに明智さんに誘ってもらった。

明智さんさミステリ小説はもちろんだが、自ら名刺を作り、探偵活動をしている本格派。

そんな彼が、映画研究会がペンションで合宿をするという話を耳にした。

本格ミステリによく登場するペンション。

明智さん映画研究会に頼み込んで参加させてもらえるように頼み込むのだが、すげなく断られた。

そんなところに登場したのは剣崎さん。
彼女は警察にも認められているという凄腕の名探偵。
そんな彼女がわたしと一緒であれば参加できるのでどうですか、と誘ってきた。

というのも映画研究会の合宿には、参加するOBに女性を紹介するという意味もあったのだった。
だからこそ女性である剣崎さんの付添という形であれば。

OBに対する学生の紹介。
昨年も同様のことが行われたという。
そしてそこで起きたことのせいで、今年は参加者が不足しているという。

そんなときに届いた昨年のことを示唆する脅迫状。

「今年の生贄は誰だ」

明智さんの興味はどんどんと大きくなっていく。

そんなこんなで始まったペンションでの合宿。
初日の夜、肝試しが行われたのだが、そこにゾンビが現れた。

慌ててペンションに逃げ込むのだが、明智さんを含めて何名かがゾンビに食べられてしまった。

ニュースを見ると、近くのフェスでゾンビウィルスがばらまかれたという。

ソンビはペンションに入ってこようと次々と体当たりをしてくる。ペンションに籠城している葉村たちだが、陥落するのは時間の問題だった。

みんなが不安な夜を過ごすなか、1つ目の事件が起きた。

映画研究会の部長がゾンビに噛まれて殺された。

しかしゾンビはペンションにいないはずなのに……?
誰かがゾンビを使って部長を殺したのか。

そして起こる2つ、3つ、4つの事件。
外にはゾンビ、中には殺人鬼。
極限状態で起こる殺人事件。

*第1位『このミステリーがすごい! 2018年版』国内編
*第1位〈週刊文春〉2017年ミステリーベスト10/国内部門
*第1位『2018本格ミステリ・ベスト10』国内篇
*第18回本格ミステリ大賞〔小説部門〕受賞作

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