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「百人一首」に込められた呪いと謎。史実の解釈をめぐる歴史ミステリー『QED百人一首の呪』

本の感想

【書評】誰かに話したい「百人一首」の謎を高田崇史が読み解く『QED百人一首の呪』

本書は歴史に残る謎を紐解きつつ、現実で起きた事件を解決するミステリー作品。

史実への新しい解釈と事件の関係がうまく作られているためか、非常に人気が高く全20巻も刊行した(現在は完結)。

このシリーズなぜかどうしてついつい何度も再読してしまうのである。

藤原定家の残したパズル

本書はタイトルにもあるように「百人一首」の謎に迫っている。

「百人一首」にまつわる謎は、

  • 歌集に選ばれた歌人は不遇をかこったり、早逝したり、不本意な亡くなり方をした人が多い。
  • あまりにも駄作が多い。
  • 「百人一首」とほとんど同じ歌が納められた「百人秀歌」という歌集がある。
  • そして「百人秀歌」も101首である。

軽くあげだしたところで、これだけある。
しかもただの偶然とは思えない。
なんたってこれらの歌集は藤原定家の作品なのである。

誰もが聞いたことのある2つの勅撰集、『新古今和歌集』、『新勅撰和歌集』を撰進し、日本の代表的な歌道の宗匠として永く仰がれてきた藤原定家がなんの理由もなく自らの歌集に駄作を選ぶはずなんてない。

では定家はなぜ、あえて駄作を選んだのか。
では定家はなぜ、「百人一首」と「百人秀歌」を作ったのか。

「百人一首」マニア殺人事件

「百人一首」の謎を紐解くのと同時に、現実に起きた殺人事件も一緒に紐解かれていく。

事件概要は、サカキ・トレーディング社長にして、「百人一首」コレクターの真榊大陸が「百人一首」の札を握りしめたまま殺害された。

容疑者は

  • 真榊 静春(まさかき しずはる)→大陸の長男
  • 真榊 皓明(まさかき ひろあき)→大陸の次男
  • 真榊 玉美(まさかき たまみ)→大陸の長女
  • 真榊 朱音(まさかき あかね)→大陸の次女で養子
  • 柿崎 里子(かきざき さとこ)→真榊家の手伝い
  • 墨田 厚志(すみだ あつし)→秘書
  • 矢野 廣(やの ひろし)→秘書

内部からの犯行ということで、上記の7人に絞られた。だが、そこから先を絞ることができない。

そんな中、容疑者のひとり、長女の玉美が殺害された。

はたして犯人は誰なのだろうか。
ダイニングメッセージは「百人一首」。

「百人一首」の謎と殺人事件は徐々に絡まりあい、意外な方向性見せてくれる。

謎を解き終えた時、誰かにこの解釈を話したくなる、そんな1冊!

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