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谷川流の書いた『涼宮ハルヒの憂鬱』はライトノベルだからといって侮るなかれ

本の感想
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○【書評】ライトノベルの形をしたSF作品『涼宮ハルヒの憂鬱』

読了後、

「こんな物語だったのか」

と声を上げそうになった。

たぶん「涼宮ハルヒ」という言葉を知らない人はいないんじゃないかというほど有名な「涼宮ハルヒシリーズ」の最初の作品『涼宮ハルヒの憂鬱』をいまさらながら読んでみた。

というのも昔は、

「ライトノベル?  そんなの読むはずないよ、芥川だよ、太宰だよ、三島だよ」

と思っていたのだが、最近はほんの少しだが「ライトノベル」と言う物に抵抗がなくなった。
大人になったのだろう。

しかしそもそも好きなジャンルではないので、話題になったものだけは拾って読むようにしている。

今回は京アニのこともあり、さらに角川スニーカー文庫ではなく角川文庫から出ているといるということも知り、手にとってみることにした。

そこらへん、まだ完全に抵抗が抜けきっていないのだが、やっぱり読んでみてよかった。

こういう物語だったのかと驚くと同時に、話題になっている本はやっぱり外れることはないということを改めて思い知った。

『涼宮ハルヒの憂鬱』のあらすじと構成

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」

これが高校1年生、進学したばかりの高校での、涼宮ハルヒの自己紹介だった。

主人公のキョンは前の席だったこともあり、勇気を持ち話しかける。

しかし涼宮ハルヒは彼が宇宙人じゃないと知ると(当然だが)「だったら話しかけないで。時間の無駄だから」とまったくつれない。

しかし懲りずにキョンは涼宮ハルヒに話しかけるようになった。

そんな時、キョンはハルヒの髪型が曜日によって変わることを発見する。
それをハルヒに話してみると、それがきっかけとなったのか、ハルヒがまともな答を返すようになった。

それは中学からハルヒを知っているクラスメイトにとって「 驚天動地だ」 と驚くほどだった。

ハルヒはどうやら学校中すべての部活に仮入部したらしいが、彼の眼鏡に適う部活はなかったらしい。

そしてうららかな日差しが差し込む授業中、不意にハルヒはキョンを鷲掴みにし、引っ張り倒して言った。「ないんだったら自分で作ればいいのよ!」と部活を作成することを高々と宣言した。

半口を開けハルヒを見るクラスメイト、泣きそうな英語の先生がいる授業中に。

その名は「SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)」という。

部員は

  • 部室を乗っ取っ取られた元文芸部の長門有希
  • 萌え要素が必要というハルヒの思いで2年生の教室から拉致されてきた朝比奈みくる
  • この時期に転校してくるのは不自然で興味を惹かれるという理由で連れてこられた古泉一樹

彼らはハルヒのそんな無茶苦茶な理由に不自然なほど文句を言わずにそのクラブに入部した。

そして青春小説のような日常を送る彼ら。

わけのわからないハルヒの言動に付き合わされ、しかしわちゃわちゃと楽しそうな生活を送る。

だが、物語は徐々に不思議な世界へと進んでいく。

それは長門有希のカミングアウトから始まった。

彼女はどうやら「宇宙人(情報統合思念体)によって作られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース(TFEI)」らしい。

そしてなんとその後も立て続けに、朝比奈みくるが自分は未来人だとカミングアウトし、古泉一樹は自身を超能力者だと言った。

それぞれキョンとふたりでいるときに言っているので、当然ハルヒはそのことを知らない。

しかも3人ともハルヒを見張るために存在するという。
そしてハルヒがこの世界の創始者なのだった言った。
これはいったいなんだろう。

キョンは半信半疑で過ごしているとき、
彼らのもとに危険が迫る!

天才的なストーリ展開とキャラ配置

この物語の完成度はなんだろうか。

楽しそうな「青春小説」かと思えば、いつの間にか「異世界物」になっている。しかも「異世界物」になり、終盤には危ない橋を渡るような緊張感があるのだが、なぜか読者をハラハラ不安にさせることなく、安心して読むことができるのだ。

そして登場人物もまたすごい。

  • 無闇矢鱈に世間を振り回す涼宮ハルヒ
  • 何事にも動じない不思議な存在の長門有希
  • 萌え要素が詰め込まれた朝比奈みくる
  • クールで微笑みを絶やさない古泉一樹

最後に読者の目線として一般人のキョンがいる。

この構成は見事で、例えば他の誰がが主人公だとしたら感情移入できなく読み終えてしまうだろう。

それもそのはずで地球人以外に感情移入をすることは難しい。

しかごく平凡な男を使い世界を見ることにより、感情移入をすることに成功している。

余談だが、伊坂幸太郎もそんな感じな気がする。あくまでも主人公は平凡で、変人が彼らの周りをうろついている。

これは計算でやってるのだろうか。
そしたら作者は天才に違いない。

あるいは、無自覚にやっているのだろうか。
だとしたら作者は天才に違いない。

そんな作者が書くこのシリーズ、ぜひ読み切りたいと思った。

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