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芥川賞作家で芸人 又吉直樹の書いた第2作目の『劇場』は面白いのか?

本の感想
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芸人 又吉直樹が書いた恋愛小説『劇場』

2年目のスランプというものが、スポーツには存在するが、それは厳密に言うとスランプではない。

というのも2年目は相手が対策をしてくるので、それに対応しなければならない。つまり、1年目と同じことをしていると通用しない。

それが「2年目のスランプ」と呼ばれている。

そしてそれは作家にも適応される。

誰でも面白い1 冊の本が書ける

と言ったのはサマセット・モームで、それは人生のことを言っている。

誰でも自分の人生を昇華させた物語を書くことができる。

では、その次の作品はどうだろう。

人間は面白い作品を2冊も書くことができるのだろうか。

さらに1冊目は注目を浴び、賞までもらってしまった。次の作品はその作品以上でなければ読者は納得しない。

それが芥川賞作家 又吉直樹が置かれた立場だった。
彼も2冊目の重圧と戦っていたかもしれない。

勝負の2作目『劇場』の評価は保留?

そんな勝負の2作目の感想だが、良くも悪くもあまり残らなかった。

最初は、なんか中村文則の文章を読んでいるようで、憂鬱を抱えた主人公を書くとみんなこんな文章になるのだろうか、なんて考えていたのだが、徐々に主人公から憂鬱が消え、それが演劇にすり替わってきた。

そうすると、中村文則の文章も気にならなくなり、気がついたら読み終えていた。決して流し読みしたわけではないのだが。

そういえば、『火花』も面白かったがそこまで、心に残らなかった。

先輩とのやり取りは面白く、時おりクスッと笑ってしまい、そのふたりがひどく愛おしく感じられるのだが、今となってはそれしか思い出せない。

『劇場』もまた演劇に振り切った主人公は、滑稽で、人間らしく、見ていて可笑しくも恥ずかしくもあった。

そういった意味ではすごい。
たぶん、又吉は人間をよく見、内面まで書ききる文学を目指しているのだろう。

ただ、文学なら文豪の作品を読めばそれでこと足りる。
だって人間性なんて、人間の奥深くにあるものなんて、早々変わりやしない。

いまは文学とエンタメが融合した作品がたくさんある。
中村文則だってそこにいる。

彼は憂鬱を描きつつ、壮大な世界を書ききる。
伊坂幸太郎だって、『重量ピエロ』でミステリと融合させた。
高橋源一郎なんて気がついたら、
もう分けのわからないものを書いていた。

だからこそ、又吉は現在の「文学」を書いてほしいと祈ってみたり、してみる。

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