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ちょっぴりファンタジー? 恋愛、感動作品の名手が紡ぐラジオ番組のような「星に願いを、月に祈りを」の感想は?

本の感想
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ひとことも読み飛ばさないでください。そのすべてが感動につながっていました

中村航といえば、言わずとしれた恋愛小説の名手である。その手から紡がれる小説は涙なしでは読めないと勝手に考えている。

だからこそ、中村航の作品を買うときは躊躇しない。
ただ考慮するのは電車の中でクライマックスを迎えないように調整することのみと言っても過言ではない。

書店で『星に願いを、月に祈りを』を見つけたときに
もうタイトルから当たりで間違いないと思った。

これは本当に微妙なラインで、
中村航以外の小説家がこのタイトルを使っているのであれば、陳腐なタイトルだなあ、と思ってしまうのだが、中村航だとそうは感じない。
(贔屓目満載だが、)こんなタイトル、絶対に面白いに決まってると考える。

ストーリーに影響しない部分だって大切に

だが読みはじめると、少しこれは失敗したかもしれないと思ってしまった。

物語自体は面白いのだが、時折挟まれる「ラジオDJ」が作品のリズムを壊しているように感じられる。

思わず読み飛ばすとまでは言わないが、斜め読みしてしまおうかと思った。

だがしかし、
まだ本書を読んでいない人がいたら忠告をしたい。
決して1言たりとも無駄な文章はないので、ゆっくり作品を楽しむように!

何を偉そうにと思うかもしれないが、読み終えたときにあなたは、この忠告に感謝してくれているかもしれない。

あらすじ

大介と真希とアキオの3人がキャンプの夜、
人目を盗んで合宿所を抜け出した。

3人は蛍を見たかった。

蛍がいる場所なんて検討もつかないが、
上流にいるかもしれないという話を聞き
川の上流へ向かい歩いていく。

しかしいくら歩いても蛍は愚か、道すら曖昧になってしまった。

3人は迷子になってしまうのだが、そこまで不安はなかった。3人で固まって座り、アキオが持ってきた災害用の懐中電灯から聞こえてくるラジオを耳に、うっつらうっつらと舟を漕いだ。

不意にアキオの目の前に蛍の光が横切り消えた。

「あっ」と声を出すアキオの視線を辿り、大介と真希の2人も蛍を見つけることができる。

3人は蛍の光を追いかけるように走ってると、いつの間にか合宿所に戻っていた。

アキオは中学に入り、野球部に入り、新聞配達を始め、恋をした。

野球部では友人の稲葉と何回もボールをやり取りし、新聞配達ではシマノの走行メーターを自転車につけ走行距離を伸ばした。

そして恋をした。
相手は里崎ミキ。

きれいな声だな、とアキオは思った。” お昼 ” という単語を、こんなにきれいに発生する人に、アキオは初めて出会った。

そして挿話 → 第3章へ進む。

そこからは少しファンタジーの様相を呈してくる。
ずっと物語に挟み込まれてきたラジオが、本格的にストーリへと絡んでくる。

徐々に明らかになるラジオの意味と現実の世界。
大介、真希、ミキ、アキオがぐるぐるぐるぐると物語と一緒に巡り巡る。

気がついたらやっぱり瞼が涙が溢れそうになっていた。
やっぱり外れない中村航の1冊。

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